column 2021.5.7
 

芦屋 CITY FARMに芽吹く子どもの個性。畑と英語の学童保育はじまりました。

神戸R不動産
 

ものづくりの工房を中心としたテナントの入る石造り団地と市民農園として生まれ変わった「CITY FARM | 旧宮塚町住宅」。その一角で超少人数性の学童保育「畑と英語のアフタースクール New Earth KIDS」を開校しました。「エディブル・エデュケーション=菜園教育」を中心に、子どもたちの自発的な好奇心を引き出すことを目標とした新たなプログラム。この度、小学校1〜4年生を対象に火曜日と金曜日のスクール生を募集します。特にお近くの方はご注目ください。

講師(写真左:代表辻かおり)も児童も一緒に畑作業をします

まちなかで土に触れる

都市に住む子どもたち、ひいては大人にとっても「食べ物はスーパーで買うもの」ということが常識になってしまった昨今。生活の中で、農園(=食べ物の生産地)と接点を持つ機会はほとんどないのではないでしょうか。自然が食べ物をつくり、食べ物が人をつくり、人が地域をつくり、そして世界をつくる。自ら土に触れ食べ物を育てることは、そんな自然や社会と自分の暮らしとの繋がりを知る第一歩です。

種から食べ物を育て、収穫し、調理して、みんなで一緒に食べる。このような体験と既存科目との学びを融合させながら、持続可能な暮らしや自然との共生などを学ぶ「エディブルエデュケーション=菜園教育」は世界各地で実践され成果を上げています。日本ではまだまだ馴染みのない言葉かもしれませんが、そんな教育がまちなかの子どもたちにこそ必要であると考えています。

そんな思いから、私たち神戸R不動産が運営している芦屋のCITY FARMにて「New Earth KIDS」と名付けたアフタースクールを開校しました。畑やキッチンでの食育プログラムに加えて、バイリンガルとネイティブ講師による日常的な英会話を織り交ぜた、今までにないプログラム付きの民間学童保育です。

土に触れ、観察することで、子どもたちは畑の中に広がる多様な世界を感じるはず。これは私たちが今暮らしている社会と通ずるものがあると考えています。

石造りの団地と農園を行き来しながら楽しく学んでいきます

絵を描いたり、手前味噌づくりをしたり

食育と英会話を通じて学ぶ、自然や人の多様性

大きく分けて2つのプログラムを実施していきます。

1つ目は、畑を中心としたエディブル・エデュケーション&カルチャーのプログラム。例えば畑作業をしたり、料理をしたり、植物をスケッチしたり、虫の話をしたりと内容はその時々で異なります。この授業中も、暮らしの中で当たり前に出てくる英語を織り交ぜながら、日本語と英語を半々程度で授業をします。

2つ目は、英語コミュニケーションに重点を置いたプログラム。ここではほぼ英語のみで授業を行います。目標は、多様化する社会、多様な文化背景を持つ人々と繋がる楽しさを体感すること。その一環として、世界各地で活躍する人々とテレビ電話を繋いでインタビューしてみるという授業も計画しています。自分が興味のあることを「伝えたい」という気持ちを引き出し、自然とコミュニケーションの方法を身に付けられるようにサポートします。

この2つの軸での学びを通して、子どもたちの興味や探求心を目覚めさせ、それぞれの個性を育てていくことを大きな目的としています。例えば「植物の成長の過程に興味を持つ子」「料理することがとにかく好きな子」「野菜やお花の絵を描くのが好きな子」など、同じ時間を畑で過ごしていても心が惹かれる要素が全く違うのです。超少人数制だからこそ、一人一人に芽生えた小さな関心や個性に気付き、寄り添って、学ぶ楽しさを知る機会をつくっていきます。

旧宮塚町住宅の一室。ここが教室です

一例ではありますが、ある放課後のスケジュールは下記の通り。

●13:00 〜15:30
各自教室に到着。
自主時間(学校の宿題、外での遊び、個人ワーク、読書等)
※宿題はプロジェクト前に終わらせます

●15:30〜
無添加手作りおやつ&瞑想タイム(5〜10分)

●16:00〜(45分+休憩)
プロジェクト(1) 〜エディブル・エデュケーション&カルチャー〜
※タネを植えたり、畑のケアをしたり、料理をしたり、絵を描いたり。

●17:00〜(45分+休憩)
プロジェクト(2) 〜英語コミュニケーション〜
※ネイティブの先生からは暮らしの中の英会話力を、バイリンガル講師からは読み書きを通して語彙力と文法の捉え方を。時には世界で活躍する方々へ英語でインタビューにもトライ。

●18:00 〜
プロジェクト終了後、適宜帰宅可能(19:15まで滞在自由)
自由遊び & 宿題 & 集中タイム& 夕食(有料オプション、希望者のみ)

19:15〜
● 最大20:00まで延長可能
● 19:15以降は、15分毎に延長料金が生じます

New Earth KIDS代表でありバイリンガル講師の辻かおり

世界で持続可能な社会を探究してきたファシリテーター

New Earth KIDSは私たち神戸R不動産とArt of Living LLC.の共同運営という形になりますが、実際にCITY FARMで子どもたちを出迎えるのは、Art of Living LLC.代表の辻かおり。自然とヒトの健やかなつながりを提案する体験型ワークショップを国内外で多数企画・開催、プロデューサー/講師として携わってきた彼女。神戸R不動産を運営する有限会社Lusieでは、別事業のEAT LOCAL KOBEも併せて長いお付き合いです。ぜひCITY FARMでも何か活動をご一緒できないかということでお声かけしたという経緯になります。

そんな彼女が食や農業に興味を持つきっかけになったのは、20代の頃、自身の体調不良を食べ物で治した経験とのこと。それから国内外の持続可能な食や農における取り組みに参加。「これからの地球をつくっていく子どもたちが自然との関係性を学ぶ環境をつくることが大切」という彼女の思いから、このスクールが実現しました。

また、日本の自然農をテーマにしたドキュメンタリー映画『final straw』の制作にも携わっており、一緒に制作した一人であり監督のパトリック・ライドンもNew Earth KIDSのネイティブ講師としてリモート参加します。

写真左:ネイティブ講師のパトリック・ライドン。右:映画『final straw』講演中のライドンと辻

カリフォルニア出身のライドンは、エコロジカルアーティスト、ライター、そして教育者として国際的に活動。当初は開校に合わせて来日し、彼も現地で講師として参加予定でしたが、現在の社会状況から入国が難しいため暫くはオンライン参加の予定。

世界を舞台に、各地の食や農業など持続可能なコミュニティーに入り探求してきた彼らだからこそ、地球の多様性を知ること、そしてその中で自然や人々とコミュニケーションを取り繋がっていくことの重要性を伝えられるのではないかと思います。

まずはお互いを知ることから

これから育んでいく新たな学びの場。今は、正式な入会前の導入期間としてワークショップ&説明会を行っています。コロナ禍ということもあってか、参加した保護者の方には畑で食べ物を育てるプログラムに興味を持っていただいているのだとか。「まずは現地に来ていただいて、お互いを知るところから始めたい」と語る辻。安心して子どもを預けられる関係性をまずはつくっていきたいとのこと。

未来をつくっていく子どもたちの生きる糧となり、家族や社会、そして地球の健康へとつなげることができるエディブル・エデュケーション。その種を蒔いていく実験的な取り組みです。

「興味がある」「入会したい」という方は、New Earth KIDSウェブサイトよりワークショップ&スクール説明会へお申し込みください。

直近の味噌作りワークショップ&スクール説明会日程
・5/16(日)10:30-
・5/23(日)10:30-

スクール説明会の様子

募集概要

スクール所在地:兵庫県芦屋市宮塚町12-24-5
交通:JR芦屋駅より徒歩6分 or 阪神芦屋駅より徒歩10分

曜日:現在は火曜および金曜のみ募集

対象:小学校1年生から4年生までの児童
基本会員料金 :New Earth KIDSウェブサイトよりご確認ください。

New Earth KIDSは、芦屋市から旧宮塚町住宅の管理を委託されている有限会社Lusie(神戸R不動産)と食や農、エコロジカルなワークショップをオーガナイズしているArt of Living LLC.が共同運営しています。

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