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2011.4.28

 
R不動産的「神戸・PORTLAND化計画」のススメ
小泉寛明(神戸R不動産/Lusie Inc.)
 

(本コラムは東京R不動産で行った「神戸R物件特集」の転載となります)

金沢、福岡、稲村ヶ崎、房総、山形……、僕たちは東京を超えて、住み心地の良い場所を発掘し続けてきました。最近、神戸で面白い人と出会いました。それがキッカケで、神戸という土地について考え、物件を探し始めています。というわけで、突然ですが今回は神戸コラムをお送りします。さらに、次回では、神戸で発見した物件たちをいくつか紹介する予定です。

海越しに見た山。ユダヤ教会もある異文化混在の街。六甲山の山荘。

ポートランド的ライフスタイル

アメリカの西海岸の街・ポートランドにはリーマンショック以降、ニューヨーク、ボストン、ワシントンDCといった東海岸の伝統的な街でバリバリと働いていた人達が移り住んできているという。なぜ今、西海岸のポートランドへ人が動いているのか? それにはいくつか理由があるようですが、大まかにいうと
1. 家賃が安い。
2. DIYカルチャーが先進的で、副業で創作したものを流通させる仕組みがある
3. ワークシェアリングが進んでおり平日3~4日だけの仕事がある(残りの日は創作活動にあてられる)
4. 街づくりが先進的で、コンパクトな街を目指している
5. 気候が良く、山や海もあり、自然に隣接している

ヴィンテージマンションや個性的な物件も多く存在する。

ここからわかるポートランドの今は「少し軽めに仕事しながら安い家賃で生活できて、自分の好きなことを追求しつつ、ちょっと気が向いたらアウトドアライフを楽しめる」、そんな生活が手に入る小都会というところでしょうか。そんなライフスタイルに魅了されて移住している人が多いそうです。
日本でも「脱東京」「脱都会」というのが、ちょっとしたテーマにのぼることが多くなってきました。じゃあ、どこに行くのかというと難しいですが、色んなバランスを考えた場合、神戸という選択肢があるとすれば、それは東海岸の人たちがポートランドを選んだのに近いのではないかと思います。
神戸は一昔前、海外から多くの企業がやってきて外国人が多く住んだり、また大阪の高級ベッドタウンとして栄えたり、きらびやかな街でした。それがバブルの崩壊や震災以降、企業や人が神戸から出て行ってしまい、今では昔の面影も少なくなりました。昔を知っている人からすれば、「神戸はすっかり寂れて、変わってしまった」という感じです。

海と山に囲まれた街・神戸。移住において、神戸という選択肢があるとすれば、それは東海岸の人たちがポートランドを目指したのに近いのではないか。

でもその分、家賃も昔から比べたら格安になっています。外国人用のマンションは丁度いい感じにレトロで、ゆったりしています。そして実は、交通がめちゃくちゃ便利です。大阪へもJRで20分強。東京も神戸空港を使えばドアtoドアで3時間弱。海外へ行くのも関空まで1時間弱。街はコンパクトで、中心部なら全てが徒歩圏内。そしてなんといっても「山」があって「海」がある。

「神戸北野」の外国人マンション暮らし

僕も毎日、神戸の北野町から大阪や地方都市に通っていました。北野町はメインの三ノ宮駅から北へ徒歩10分ほどの山の麓にあるような街です。駅からたった10分で温度が変わり、風が変わります。まず何とも言えないのが、朝、家から外に出た瞬間。山からの風で目を覚まし、木々が酸素をいっぱい出した澄んだ空気で深呼吸、心地よい刺激を受けます。そこから徒歩で約10分、山からの六甲おろしを背に浴びながら、坂を下って仕事に向かいます。景色が変わり、駅に近づくにつれて頭も実戦モードになっていきます。仕事を終えて帰宅する時も坂を上がり、山に向かって歩いているとオンとオフが自然に切り替わっていきます。すると一日のうやむやがどこかへ飛んでいってしまいます。以前ロサンゼルスに住んでいた頃に、「気候はお金で買えないよね」と思っていましたが、神戸の風や光も同じ感覚を呼び起こします。

山から見た神戸北野の街並。六甲山をバックに異人館が立ち並び、外国人マンションも多く点在する。

最初に住んだのは北野の山の上(山が始まるちょっと手前)の場所にたつ5階建てのマンション。130平米の3ベッドルーム、2バスルームのマンション、南側は神戸の港が、北側は神戸の山が見えるステキなマンションでした。インド人オーナーのマンション(北野にはインド人が多い)なので、壁紙がエキゾチックだったり、部屋の入口にアーチのデザインがあったりと楽しげです。ただ建物の改修がされていないのが問題ですが、そこさえ割り切れば何の問題もない広くて気持ちのいいマンションでした。条件面でも柔軟で多少の改装であれば僕らでやってもいいですよとのこと。しかも北野といえば一昔前は高級マンションエリアというイメージでしたが、家賃も広さや諸条件を鑑みるとお得感があり、こんな機会はないと即決してしまい、僕らの北野での生活がスタートしました。

異人館越しに見える山の景色。建物の屋上から見える海の景色。

正直なところ、北野町の外国人マンションは、日本人にとっては始めの印象が悪く、広いけど、汚い、補修してない、周りが外国人で心配等、敬遠される要素があるのだと思います。ですが、賃貸マンションというのは貸す側はつぶれたものを修繕する義務があるので、付属している住宅設備がある場合はオーナーに修繕義務があります(契約時に約束している場合に限ります)。見かけの壁紙の汚れとか、塗装してしまえば塗装材料の費用で直せるし、床も使いだせばあまり気になりません。設備が壊れたら直してもらえばいいだけです。それさえ乗り越えられれば、相当気持ちのいい住宅を手に入れられます。北野町の外国人マンションは多くがファミリー仕様で2LDK~4LDKが多いです。家族を持つと分譲マンションに手を出してしまいがちですが、ゆったりした賃貸マンション生活というのもいいものです。分譲マンションって選択肢はリスクかも? という時代に突入した今、ゆったりとした間取りのマンションで賃貸生活もありかもしれません。

 
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このブログについて
 

山と海に囲まれた街、神戸に移り住み5年。引越魔だった私が神戸に定住できたのは、この街の居心地がとても良いから。 そして神戸で会社を始めたのも、この街に住み続けられる仕事というのが大前提にあったから。居心地のわけをお伝えして参ります。


著者紹介
 

小泉寛明(神戸R不動産/Lusie Inc.)
小泉亜由美(神戸R不動産/Lusie Inc.)
西村周治(神戸R不動産/Lusie Inc.)
岩崎大輔(神戸R不動産/Lusie Inc.)

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