news 2017.9.25
 
real local

パンを焼いて、茅葺屋根を直そう!

則直建都
 

西宮市船坂で小麦を育て、パンを焼き、茅葺屋根を直す。約10ヶ月間のワークショップ参加者を募集中。

西宮市の山あいに位置し、茅葺(かやぶき)古民家が点在する船坂。この小さな集落で、少し変わった方法で茅葺屋根を直す取り組みが始まります。

小麦を育て、パンを焼き、茅葺屋根を直す、約10ヶ月に渡るワークショップに、あなたも参加してみませんか?

茅づくりからはじめる、茅葺屋根補修ワークショップ

ワークショップの舞台となる船坂は、美しい棚田と茅葺古民家が残っている西宮市北西部の農村地域。

今では農村・里山でも希少な存在になり、現在の建築基準法では新築できない茅葺古民家。その貴重な文化的価値を守り受け継ぐためにできることは、現存する建物の修復しかないという事実をご存知でしょうか?

茅葺屋根の材料になる茅(かや:屋根作りに適した背の高い植物の植物の総称)で、昔の農村や里山では簡単に手に入ったため屋根を葺くのは当たり前だったそうです。しかし、経済成長期における農村・里山の宅地化とともに、貧しいイメージのあった茅葺屋根は減少の一途を辿ってきました。

そこで、「もう一度、茅を育てるところからはじめてみよう!」というのが今回の取り組み。

Bake&Restoreは、船坂の休耕田を整備し、茅になる小麦を植え、収穫した小麦で茅葺屋根を補修する約10ヶ月に及ぶワークショップです。

失われた暮らしの循環を取り戻す実験

写真中央の茅葺屋根を10ヶ月ほどかけて修復していく。左手前の淡いブルーの屋根も茅葺屋根(修復中)で、船坂は茅葺屋根が多く残る貴重なエリアと言える。

今回の取り組みは、「失われてしまった暮らしの循環を取り戻してみよう」という実験でもあります。

現代の生活では接点がほとんどない「食べること」と「住むこと」が重なり合っている茅葺古民家という存在には、これからの時代の暮らし方を考えるための重要なヒントが隠されているのではないでしょうか。

この取り組みは、環境と暮らしの循環を取り戻すためのはじまりのはじまりです。茅葺屋根と循環型の暮らしを修復する、ささやかな実験に参加してみませんか?

ワークショップ講師の皆さん

■ 村田智洋さん
神戸市北区でふぁーむ&がーでんヒフミを営む農家・有機農業技術者。

■ 塩澤 実さん
茅葺きポータルサービス茅葺屋を主宰する茅葺職人。

■ 村田靖子さん
村田智洋さんと共に、ふぁーむ&がーでんヒフミを営む農家・園芸療法士。

■ 相良育弥さん
神戸市北区淡河町の淡河かやぶき屋根保存会くさかんむり代表・茅葺職人。

■ 河原安孝さん
高槻市にあるリフォーム会社河原工房の会長で、古民家再生のプロフェッショナル。

■ 荻野志保さん
宝塚市にあるlichetteのパン職人。自家製天然酵母と国産の素材を使用。

ご興味をお持ちの方は、下記イベント情報をご確認のうえ、お問い合わせフォームよりお申し込みください。(複数人でご参加される場合は、その旨もお知らせください)

日時:
[第1回] 平成29年10月29日(日)
ワークショップ:小麦の種を蒔こう!(村田智洋さん/農家)
レクチャー講座:農家の生活について(村田智洋さん/農家)

[第2回]
平成30年1月21日(日)
ワークショップ:竹刈りをしよう!(塩澤実さん/茅葺職人)
レクチャー講座:茅葺職人の仕事について(塩澤実さん/茅葺職人)

[第3回]
平成30年2月4日(日)
ワークショップ:麦踏みをしよう!(村田智洋さん/農家)
レクチャー講座:古民家について(河原安孝さん/工務店会長)

[第4回]
平成30年4月15日(日)
ワークショップ・レクチャー講座:船坂を歩いて野草を見つけよう!(船坂のみなさん)

[第5回]
平成30年5月13日(日)
ワークショップ:麦の穂摘みをして、ハーブを育てよう!(村田靖子さん/農家)
レクチャー講座:古民家について(河原安孝さん/工務店会長)

[第6回]
平成30年6月10日(日)
ワークショップ:小麦を収穫しよう!(村田智洋さん/農家)
レクチャー講座:ハーブについて(村田靖子さん/農家)

[第7回]
平成30年7月中旬
ワークショップ・レクチャー講座:パンを焼こう!(荻野志保さん/パン職人)

[第8回]
平成30年9月下旬
ワークショップ:茅葺屋根を直そう!(塩澤実さん/茅葺職人)
レクチャー講座:茅葺職人という仕事について(相良育弥さん/茅葺職人)

※ 毎回10時集合、14時半解散予定です
※ 1日のタイムスケジュール例
10時~12時:ワークショップ
12時~13時:ランチ
13時~14時:講座
14時半:解散

会場:西宮市船坂

交通:
・さくらやまなみバス「舟坂橋」下車
(JRさくら夙川より35分、阪急夙川より30分、阪神西宮より40分、有馬温泉より10分)
・阪急バス「舟坂」下車
(宝塚より20分、有馬温泉より10分)
※時刻などは、各バスのホームページでご確認ください。

料金:
全8回参加 ¥20,000(食事付き)
※ 1回のみ参加は¥4,000(食事付き)。ただし、全回参加の方を優先します。
空き情報はFacebookページにてお知らせします。

参加申し込み方法:
以下のコラム末尾のお問い合わせフォームより、お申し込みください。
パンを焼いて、茅葺屋根を直そう!(real local)

主催:船坂自治会まちづくり部会(古民家活用プロジェクト)

協力:
一般社団法人兵庫県古民家再生協会、淡河かやぶき屋根保存会くさかんむり、株式会社河原工房、株式会社古材問屋、茅葺屋、古民家族、ふぁーむ&がーでんヒフミ、神戸R不動産、西宮市

事務局サポート:神戸R不動産(有限会社Lusie)

おすすめコラム
 
カテゴリホーム
コラムカテゴリー
 
特徴 フリーワード
フリーワード検索
関連サービス
 
メールサービス
 
SNS
 
関連コンテンツ
 
R不動産の本
 
公共R不動産のプロジェクトスタディ

ローカルエコノミーのつくり方
ミッドサイズの都市から変わる
仕事と経済のしくみ

「顔の見える経済」をつくる




公共R不動産のプロジェクトスタディ

公共R不動産の
プロジェクトスタディ

公民連携のしくみとデザイン




公共R不動産のプロジェクトスタディ

CREATIVE LOCAL
エリアリノベーション海外編

衰退の先のクリエイティブな風景




団地のはなし 〜彼女と団地の8つの物語〜

団地のはなし
〜彼女と団地の8つの物語〜

今を時めく女性たちが描く




エリアリノベーション 変化の構造とローカライズ

エリアリノベーション:
変化の構造とローカライズ

新たなエリア形成手法を探る




PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた

PUBLIC DESIGN
新しい公共空間のつくりかた

資本主義の新しい姿を見つける




[団地を楽しむ教科書] 暮らしと。

[団地を楽しむ教科書]
暮らしと。

求めていた風景がここにあった




全国のR不動産

全国のR不動産:面白く
ローカルに住むためのガイド

住み方も働き方ももっと自由に




RePUBLIC 公共空間のリノベーション

RePUBLIC
公共空間のリノベーション

退屈な空間をわくわくする場所に






toolbox 家を編集するために

家づくりのアイデアカタログ






団地に住もう! 東京R不動産

団地の今と未来を楽しむヒント






だから、僕らはこの働き方を選
んだ 東京R不動産のフリーエー
ジェント・スタイル






都市をリノベーション

再生の鍵となる3つの手法






東京R不動産(文庫版)

物件と人が生み出すストーリー






東京R不動産2
(realtokyoestate)

7年分のエピソードを凝縮






「新しい郊外」の家
(RELAX REAL ESTATE LIBRARY)

房総の海辺で二拠点居住実験






東京R不動産

物件と人が生み出すストーリー






POST‐OFFICE―
ワークスペース改造計画

働き方の既成概念を変える本