価格：

2,490万円

面積：

68.18㎡（建物）
102.11㎡（敷地）

六甲に不思議な場所があるのをご存知でしょうか。

森に包まれた細い階段を抜けた先に、古家がぽつぽつと続く路地の終着点。尾道を思わせる、どこか懐かしく、それでいて非日常の空気が漂っています。

駅から徒歩圏内。それなのに、階段を一本登っただけで景色ががらりと変わり、時間の流れまで違う。ここを初めて訪れたとき、「こんな場所が阪神間にあったとは」と驚きました。

今回の物件は、そんな場所の一角に佇む戸建。

季節の花や緑を楽しめる庭、1階には陽だまりのサンルーム、2階には広いバルコニー。眺望はもちろん、夜になれば綺麗な夜景も楽しめます。現オーナーはここでBBQや晩酌を楽しみ、ビールサーバーまで設置。この家での暮らしを心から楽しまれているのが伝わってきました。

内装はリフォーム済みで、水回りも清潔感あり。

コンクリート調クロスに2階は勾配天井、梁を見せた開放感のある空間です。猫と暮らされているため壁に引っかき傷がある箇所や、庭下の倉庫の雨漏りなど、手直しが必要な部分もあります。

また、駐車場はなく、車の進入できない坂と階段を上がった先にありますが、その分周囲はとても静かで落ち着いた環境が魅力。いわゆるファミリー向けというより、ご夫婦や自宅兼アトリエ・事務所といった使い方がしっくりくる立地です。

一方で、現実的な課題もあります。

耐震診断の結果はあまり良くなく、補強工事が推奨されます。概算では構造壁のみで約80万円、屋根材の軽量化まで含めると約150万円ほど。さらに擁壁にも多数の亀裂が確認されました。擁壁まで全面補修となると費用はかなり高額になり、現実的ではありません。

つまり、この家は“万人向け”ではありません。便利さや合理性を求める暮らしより、場所の空気感や面白さに価値を感じる人向けの物件です。

ただ、普通の住宅にピンと来ない人、現実的なことよりも、このロケーションに惹かれる人には、きっと刺さるはず。

便利ではない。完璧でもない。

でも、ここにしかない世界と景色がある。

そんな物件です。

※現在居住中のため、内見をご希望の際は12月20日（土）以降（12月27日（土）〜1月7日（水）を除く）の日程で、事前に調整が必要となります。