街を見下ろす城のように高台に建つ洋館。大正2年にとある富豪の自邸として建てられた築108年の豪邸です。阪急電車の車窓からも見える存在感ゆえ、見覚えのある人も多いのではないでしょうか。 この建物は翠嵐房と呼ばれる洋館で「ひょうごの近代住宅100選」にも選定されています。紹介させて頂くのが恐れ多いですね。
坂を登っていくと山から複雑な切妻屋根形状がひょっこりと垣間見える。森の入り口のような道の先に本物件があります。 建物正面は下から見る表情とは違いシンプルな切妻形状の外観。翠嵐房という名前の由来になったであろうほんのり翠色の屋根が美しい。
間取りの構成としては正面の洋館と裏側の和風平屋があります。和と洋どちらも本格的なものを手に入れたいという強欲さ。なんとも大正ロマンな富豪の心意気がたまりません。
玄関ポーチは住居とは思えない立派さに思わず身構えてしまいます。洋館なので土間、框は無い土足仕様。こちらは現在児童のデイサービスとして使用されていて、水回りなど所々リフォームがされていますが大部分は当時の姿のままと思われます。
メインの洋室の内装はヘリンボーンの床と天井にはモールディングが回っている本格洋風仕様。派手すぎない装飾なのでいやらしさのないバランスのとれた空間です。木製の窓枠や窓枠、手すりなどちょっとした部材を見るだけでヴィンテージを感じます。築古の物件なので所々お手入れが必要な箇所があるのでご了承ください。
そしてバルコニーに出ると神戸の海と街を見渡す圧巻の眺望。わざわざここに建てる訳だ。
奥にいくと一転して和風空間がひろがります。広間は当時宴が開かれていたのかな。その広間の縁側から庭を挟んでまた神戸を一望。眺望を得るために緻密な計算がされたんだろう。 もみじが植わった庭はそれだけで絵になっちゃいます。秋は敷地内が絶景の紅葉スポットに。
幼少期にこんな素敵な建物で学べたらさぞ感性豊かに育つだろうな。用途としては住居や別荘としてももちろんOKです。アトリエを兼ねた住居としてインスピレーションを受けるなど。 第1種低層住居専用地域なので店舗兼住宅は可能(面積の制限あり)ですが、事業のみの使用は不可です。ご注意を。
木々に囲まれた高台にて大正から続く歴史を受け継いでみませんか?
※敷地北西側が土砂災害特別警戒区域に指定されています。 |