Rトピックス
団地を買うという選択 〜自分の住まいは、自分でつくる〜
text=西村周治(神戸R不動産/Lusie inc.)

この購入の方法なら、家は一生に一度の買い物ではなくなり、住み継ぐものとしても選択できるのではないでしょうか?

近頃団地が話題になることが多いですが、URなどの賃貸で借りられる団地のイメージが強いと思います。しかし今回、団地は賃貸だけじゃなく、売買でも買えちゃうんだ、そして、買ってみると意外とメリットが多いよという話をしたいと思います。


整然と並んだ様子がまさしく団地。神戸市灘区にある「鶴甲コーポ」

団地とは、今から4〜50年前の高度成長期、住宅が全く足りていない時代に、郊外の土地に一斉に建てられた建物で、標準設計ですべて同じような間取りや外観をなしているものが主に団地と呼ばれています。


1951年に計画された団地の間取図。ダイニングキッチンの概念が生まれた最初のプラン。

真四角のシンプルな鉄筋コンクリートの中に、当時は皆が憧れる暮らしがありました。分譲団地は当時としては決して安くない値段で、庶民にはなかなか手が出ない価格で取引されていました。
しかしそんな憧れの団地も現在は住人の高齢化が進み、それに伴って階段だけしかない郊外の団地から駅前のエレベーターのあるマンションへ引っ越しをする人も増え、空室が目立つようになりました。


鶴甲コーポ外観。

不便な立地で階段で設備は古くて……など、今やデメリットの方が注目されることの多い団地。なので現在は分譲団地の空室が神戸でも目立っており、低価格で買える物件がチラホラ。

以前から、住宅を長期ローンで、高価格で購入するのでなく、短期のローンでも返せる計画で、低価格で購入するということを僕はオススメしてきたのですが、実際のところはどうなの?と言われると、ぐぬぬ……となってちゃんと回答ができていなかったのです。
ですが、この度僕自身が、実際に団地を購入して改装をしてみましたので、そのメリット・デメリット、実感したことをつらつらと語ってみたいと思います。
ちなみに今回僕が購入したのは、塩屋住宅という塩屋駅から坂を登って10分くらいにある、海と山の見える団地です。


塩屋住宅外観。垂水区塩屋町にある小規模な団地。

団地購入メリット・デメリットまとめ

メリット/
・なんといっても安く買える
・自由な間取りが想像できる
・壁が解体できる(柱梁で構成されたラーメン構造が多い)
・維持管理費が安い(エレベーターが無い、自主管理である)
・耐震性能が高い(決められた規格設計、シンプルな構造で倒壊しにくい)
・敷地がゆったりしている(桜等の木々がたくさん植わって成長している)
・駐車場が近隣相場より安い

デメリット/
・ 5階建でも階段で上らなければならない
・ 東西方向に建物が配列されていて、部屋によって景観が抜けない
・ 郊外の団地は通勤に不便
・ 水回りが狭く設備改装に制限がある
・ 防音・断熱性能は弱い


塩屋住宅図面。

神戸の郊外では、500万円前後でも購入できる郊外の団地が実は結構あるんです。その中で、僕はいろんな事情があって荷物が山盛りになってゴミ屋敷と化した部屋を買いました。購入時のドタバタについて今回は省略をしますが、なんやかんや事情があるため、安くなって売りだされた団地でした。
改装費を安く抑えるため、自分と友人で解体して仕上げ塗装を行って、あれもこれもDIY・DIY・DIY。自分でできることはとにかく自分で行いました。

自分の手で切って貼って塗って触ったおかげで、壁の染みやシワに妙な愛着が湧いて、できあがったものは、継続して使っていきたいと感じられるモノになったのです。

ちなみに購入費内訳は、すごくざっくりですが以下の通りです。
購入費用300万円+改装費用300万円
ローン借入額=600万円
返済期間:10年(予定) 固定金利:1.6%
月々返済額:6万円(返済額)+1.1万円(管理費・修繕積立金)=7.1万円(支払合計)
月々7.1万円の支払いで、10年後には自分の家になる計画です。

35年ローンで返済して住宅を購入することも選択肢ではあると思います。ただ35年後に一体どうなっているのかは、まるで想像がつかない。年収も上がるかどうかわからない時代に、ちょっと先の未来までの視野で選択できるのが団地です。購入だけど仮住まいと位置づけ、その先で改めて違う物件を購入してもいいかもしれません。この購入の方法なら、家は一生に一度の買い物ではなくなり、住み継ぐものとしても選択できると思いました。

購入価額が安いのは、改装前で室内はゴミだらけの廃墟化した物件であったこと。改装費用が安いのは、改装をほぼDIYにて自分できることは自分でやったこと。

生活における住居の支出は大きい、というか大半が住居費用に消えていくのではないかと思います。なにかと支出が多い世の中で住居費用を抑えることができれば、生活の自由度があがる。 家賃の高い都会で収入を常に気にしながら働くなんてことではなく、郊外の団地で住居費用を落として、その分好きな仕事に集中する、なんてことも不可能ではないと考えます。

では実際にどのような団地があるか、エリアと実勢価格を以下に記載します。
現在の募集状況は個別お問い合せください。

お買い得な団地のリスト

■中央区
北野マンション

住所:神戸市中央区北野町2丁目
価格:高価(1380万円〜1580万円)2015年10月末
立地:駅近(三宮・新神戸駅から徒歩圏内)
景色:良好(前列は良、神戸の市街地を眺める風景。後列も高層階は良)

■灘区
鶴甲コーポ

住所:神戸市灘区鶴甲
価格:安価(380万円〜550万円)2015年10月末
立地:駅遠(六甲駅からバス乗車)
景色:良好(前列は良、棟数が多いので景色の抜ける部屋は少ない)

■東灘区
渦森団地

住所:神戸市東灘区渦森台2丁目
価格:安価(300万円〜780万円)2015年10月末
立地:駅遠(バス便)
景色:良好(前列は良、棟数が多いので景色の抜ける部屋は少ない)

■須磨区
高倉台団地

住所:神戸市須磨区高倉台
価格:安価(250万円〜790万円)2015年10月末
立地:(須磨駅から徒歩圏内、坂道有)
景色:良好(前列は良、棟数が多いので景色の抜ける部屋は少ない)

■須磨一の谷グリーンハイツ

住所:神戸市須磨区一の谷町
価格:安価(350万円〜550万円)2015年10月末
立地:駅遠(バス便)
景色:良好(前列は良、棟数が多いので景色の抜ける部屋は少ない)

■垂水区
塩屋住宅

住所:神戸市垂水区塩屋町3丁目
価格:安価(500万円)2015年10月末
立地:駅近(塩屋駅徒歩圏内、坂道有)
景色:良好(前列は良、棟数が多いので景色の抜ける部屋は少ない)

上記は常に募集を行っている団地ばかり。
お問い合せいただければ、空き状況について個別回答をさせていただきます。

自分の住まい、自分でつくるのは面白かったです。
多少の不便を考慮しても、団地という選択肢は有りじゃないか。
ピンときた方は、ぜひ団地ぐらしを実践してみてほしいです。

また団地とは関係がありませんが、神戸市では空きの目立つ家屋に対して、空き家の活用コンペを実施しています。
http://www.city.kobe.lg.jp/life/town/house/information/competition.html
コンペ募集期間は、平成27年11月17日(火曜)~12月25日(金曜)(当日消印有効)となっておりますので、空き家を活用する提案をされたい方はぜひ応募ください。